【カナダ・オンタリオ滞在 2022.10.20 】 Bellwoods Production Brewery / Bellwoods Brewpub

 

bellwoods

 翌日はBellwoodsのブルワリー見学を。言わずと知れたトロントを代表する人気ブルワリーです。人気が出たきっかけは当時流行り始めるタイミングでいち早く作っていたゴリゴリにHazyなものを中心とするIPAだと思いますが、Dry Hopped SourのJelly Kingも非常に人気だし、木樽を駆使したファームハウスエールやクールシップを使用した自然発酵木樽熟成のサワーもとても高い評価を得ています。そんな彼らは6月にNYCに行った際もOther Half主催のIPAチャンピオンシップ”Green City”に唯一参戦していた米国外のブルワリーでしたし、Brooklynの街中でもBrouwerij LaneやBeer Boutiqueのような老舗のヨーロッパビールに強いビール専門店で取り扱われたりしています。

BellwoodsBottle_BrouwerijLane

 アメリカはそもそも一万近いクラフトブルワリーがひしめいており、トラディショナルを除くインポートの需要がそこまで高くない上、激戦区のNYCでちゃんと戦えている数少ないカナダというかヨーロッパも含めた米国外のモダンクラフトブルワリーの一つであります。(画像は2022年6月にBrouwerij Laneにて撮影。ベルギーの名だたるブルワリーに並んでBellwoods - Jelly Kingが並んでいる。)

 

 Bellwoodsは元々トロントのダウンタウンにブルーパブとしてオープンしましたが、規模が大きくなって北部の工業地帯にプロダクションブルワリーを新設。今回はこちらの見学です。いつもメールでやりとりしているAlyssaと午前中に約束をしていたのですが長旅の疲れで思いっきり寝過ごしてしまい、予定を午後に変更してもらうというハプニングがありつつ、バスを乗り継いで到着すると、アパレル系の工場や倉庫らしき建物がいくつかありますが入り口がわかりません。そこで外にいたBellwoodsで働いているっぽい人に「Alyssaと約束してるんだけど、どこかな」と聞くと「あそこの建物を入って突き当たりを左だよ」と。言われた通りに行くとなんか様子が違う。Alyssaっていうアパレルメーカー?のオフィスだかアトリエだかでした。。。

工場周辺


 まあ気を取り直してブルワリーの入り口を見つけて入っていくとAlyssaが待ってくれていました。6月のNYCぶりの再会、ビールをもらって工場を見学。ビールはWhite Picket Fenceをチョイス。これ本当に好きなんですよねー。爽やかなホップの香り、仄かな酸味に控えめなブレタノマイセスのファンクネス。そしてオーク香。全てが主張しすぎず調和して、爽やかに何杯も飲めてしまいます。

Bellwoods_WhitePicketFence

 工場の説明をしてくれたのはブルワーのStephen。昨日はBurdockに行ったんだと言うと、「Mattは仲のいい友達で僕はBurdock2階に住んでいたこともあるんだ」と。やっぱり繋がっているんですねー。ブルワリーの方はというと、郊外らしく広々とした空間に高い天井。ブルーハウスは確か4,000L仕込み。それなりに大きいですがそこまででもないですね。で、ファーメンターとタンクが大小色々あって、一番大きいもので12,000Lと言っていたと思います。確か。タンクの大きさはそれなりですね。でも工場全体の規模感としてはやっぱりそこまで大きくなくて飽くまでローカルブルワリーって感じですね。そして木樽の方はというとバレル、パンチョン、フーダーと大小さまざまなものが結構な数あります。フーダーは確か4,000Lでそれがピラミッド型に積まれています。一番下が古いビールが入っていて一番上が新しくて、というので「ソレラ?」と聞くとその通り、と。まさに今飲んでいるWhite Picket Fenceがこちらのフーダーで熟成し、ソレラスタイルでブレンドしたセゾンであります。

※ソレラ:一般的にシェリー酒で行われる熟成方法。樽を積み重ね、下段の古いものから瓶詰めし、減った分を上段の新しい樽から補充し、つぎ足しながら熟成させる。

Bellwoods_BreweryBellwoods_Foedur


 他にVinesシリーズやFruit Jelly Kingなんかのフルーツを使ったビールに使う角型のステンレスタンクなどがあります。こちらで熟成中のビールをちょっと飲ませてもらいましたがまだ若いなという印象。これからが楽しみな感じです。クールシップは別のところにあるそうですが、基本的にクリーンなビールもワイルドエールも同じ場所で作っていましたね。タンクの使い分けとエリア分け、清掃、消毒の徹底だと言っていたと思います。Motley CruIntermodalなど彼らのクールシップを使ったビールもとても美味しかったので次はクールシップも見たいですね!工場を出る頃には3時頃になっていたかと思いますが、入り口の売店のところでは工事現場帰りと思わしき格好をしたおじさんが二人、ビールを楽しんでおりました。

 

 で、Alyssaの車でダウンタウンに移動します。車で2030分ほどで着いたのはオリジナルのブルーパブ。元々本当に小さなブルーパブだったのが、同じ建物内で拡張を繰り返し、最近一棟借りに近い状態になったとのこと。飲食スペースが拡張されて洒落たカフェのような感じになっています。まだ15時台ですが、店内はそれなりにお客さんが入っています。Burdockがレストランだとするとこっちはカフェっぽいです。

Bellwood_BrewpubBellwoods_Brewpub_Food

 普通に街中の洒落たカフェっていう感じの佇まいだし、実際お客さんもビール好きだけではなく、そういうふうに利用されています。食事のメニューもなかなか洒落ていまして、チーズプレートとファラフェルラップを食べたのですがラップがレタスになっているなど洗練されていて美味しかったです。ビールの方はBellweiserからのCat LadyCat Ladyは新作のWC IPAですがこれがバッチリ切れていて苦味もちょうど良く、ストライク。美味かったですねー。

Bellwoods_Brewpub_Fermenter


 ブルワリーも見せてもらいましたがこちらは確か15bblの設備で、スモールバッチのビールを作っているそうです。そういえばAlyssaはハミルトン出身で現在もハミルトンから通勤しているのですが、前職はCollective Artsだったそうで、現在のCollective Artsのエクスポートの担当Scottは彼女の大学時代の友達だとか。繋がっているものですねー。週明けにハミルトンに行くよと伝えるとハミルトンのおすすめをいくつか教えてくれました。

 

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