【2022.10.29 USA・NY滞在】Suarez Family / Delaware Supply

 

SuarezFamily_外観

 翌日は4時前に起きて支度をし、空港へ。NYのラガーディア空港へとひとっ飛び。9時過ぎには到着。なんでそんなに早いのかというと、長い運転があるからなのです。

 今回の目的地はNYCではなくアップステイトNY。そう、Suarez Family Breweryでございます。まあこちらについては説明不要ですね。ラガーを中心にペールエールやファームハウスエールなど、アルコール度数が低め、ライトだが水っぽくない繊細で豊かな味わいのビールを醸す、アメリカ最高峰のブルワリーの一つと言い切ってしまっていいでしょう。

SuarezFamily_Patio

 ここは商売云々は抜きにしてずーっと行きたかったブルワリーで、前回6月にNYCに行ったとにも本当は行きたかったんですが、自動車を運転しないとどうやっても辿り着けません。そして近くに泊まれるところがないのでブルワリーから宿までも運転して行く必要があります。なので今回こそは一日がかりで必ず行ってやる!と決めていたのです。しかも、LucSuarez Family Breweryにも行く予定だと話したところ「Daniel Suarezのことはよく知ってるよ!連絡しておくよ」と。さすが!DanielHill Farmsteadの最初の従業員として初期からShaun Hillのアシスタントブルワーをやっていたので、過去にHill Farmsteadと何度もコラボレーションを行っているLucは当然知り合いというわけなのです。

 で、Danielは金曜ならブルワリーにいるということでモントリオールを当初の予定よりも早く出てやってきたのです。で、早速レンタカーを。とその前にプリペイドSIMをゲットしないとナビが使えません。空港で買えなかったのでちょっとだけ街に出てチベット系のオヤジがやっている中古携帯ショップでゲット。レンタカーを借りて出発です。

 

 

 NYCを出るとあとはひたすらパークウェイを走り続けます。景色は綺麗なんですがすぐ飽きるし、カーブも多いし神経擦り減りますが時速120km2時間超ぶっ飛ばしてようやく到着です。見渡す限りの田園風景。その中にある納屋がSuarez Family Breweryです。The Tapと称する屋外の小さなスペースでドラフトを飲んだり缶や瓶を買って帰れたりするようになっています。

 

 到着したのは13時過ぎだったと思いますが、すでに数組が楽しんでおり、私もフラッグシップのPalatine Pilsの大きいサイズを買って飲みながらDanielにテキストを打ちます。Slow Pourで注がれたそのビールはライトなんですが決して水っぽくはなく、スルスルっと入ってきてすぐになくなってしまいます。

 ちょっとするとDanielが出てきて挨拶。事前のイメージでは無口で神経質、繊細な感じの人を想像していたんですが実物はリラックスしてよく喋る緩いノリです。工場内はマスク着用ね、とマスクを手渡されて見学させてもらいますがコンディショニング中のボトルが積まれていたり案外雑然とした印象。醸造設備周りはそんなことないんですけど。ブルーハウスは2,000L仕込みかな?タンクは2,000L4,000Lのものがあり、木樽も大小あって大きいものは1,000L。ラガー類のラガーリングは通常3-4ヶ月行っているようです。やはり低めのアルコール度数と飲みやすさにこだわって設計しているようで、長めに取ったラガーリングの期間がクリーンな味わいを担保しているのでしょうか。

 外に出て今度は二杯目のラオホを。グラビティで注がれたこれがまためちゃくちゃ美味かったです。ラオホって重くなりがちなイメージがありますが、こんなにクリーンで飲みやすいラオホは飲んだことがないっていうくらい。外でDaniel、アシスタントブルワーでSuarezの設備を使ってAnother MoonというプロジェクトをやっているMatt、彼らの友人の農家の人などとあれこれ談笑。お土産を購入&いただいて宿にチェックインするために退散。

 

 

 宿はここから高速で一時間ほど北に行ったオールバニーに取っていたのですが、「オールバニーに宿取っている」というとおすすめスポットを色々勧めてもらいました。で、普通のモーテルにチェックインし、シャワーを浴びて先ほど教えてもらったビアバーへ行きます。オールバニーはNY州の州都ですが、人口数万人の小さな街。教えてもらったDelaware Supplyというバーがある通りは商店がポツポツとありますが静かな通り。隣には小さな映画館があって、ハマショーの「この町のメインストリート、わずか数百メートル 寂れた映画館にバーが5, 6軒」というフレーズが頭の中をリフレイン。。。メインストリートは別にあって、そっちはそれなりに賑わっていましたが、この店がある通りはマジでそんな感じです。

 で、Suarezのドラフトが飲めるんだろうなという以外はそんなに期待をせずに入店。内装は小洒落ていて、BLMLGBTQアライ的なメッセージが貼られていたりとリベラルな人がやっているお店のようです。

 空いていたカウンターに座ってタップリストを見て、おや?となります。これはイイですね。見れば見るほどこりゃすごいなと。マジで驚きました。Ayinger, De Ranke, Fantome, De La Senneといったヨーロッパからのインポート物にFoamLawson’s Finestという聖地バーモント物、Schilling, Bierstadt Lagerhausといった実力派のアメリカンクラフトラガー、Grimm x American SoleraのコラボにコンブチャはYes Folk。ナチュラルワインも国内外のものがボトルとグラス売りであります。

 そして、ありました!BellwoodsJelly King Passionfruit, Orange & Guavaが繋がっています。Suarezは繋がっていなかったけれどこれでブチ上がりましたね。他のお客さんはサンドイッチを頼んでいましたが使用しているシャルキュトリーもチーズもパンもこだわっているようで美味しそうです。客層も地元のお客さんっていう感じでリラックスして純粋に楽しんでいる感じ。店主もバーテンダーもとても親切でフレンドリー。ビールのセレクトをしている若いバーテンダーはモントリオールが好きっていっていましたね。近いし、もしかしたらヒントを得ているのかもしれません。早起きとドライブのお陰で死にそうだったので長居はせずに退散しましたが、この店に来れて良かったなと心から思いました。

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