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【カナダ・トロント滞在記 2022.10.22】Sonnen Hill
翌日はトロント郊外のCaledonという街というか農村にあるファームハウスブルワリー、Sonnen Hillでイベントがあるというのでそれに行くことに。こちらのブルワリー、行ってみたいリストの上位に入ってはいたのですがどうやっても車で二時間くらいかかりそうな距離でどうしたもんかなと思っておりました。レンタカーか、諦めるか。で、BurdockでもBellwoodsでも「どこか行く予定のブルワリーはあるの?」と聞かれてSonnen Hillと答えたのですが、色んな人から「君は必ずSonnen Hillを気に入ると思うよ」と言われて俄然行く気に。さらに土曜にイベントがあり、トロント市内からシャトルバスが出るというので早速チケットをゲットしたのでした。 シャトルバスが出るのはトロント市内の工業地区だったところがリノベーションされて盛り上がってきているエリアにあるワインバー/都市型ワイナリーのParadise Grapevineから。昼過ぎに行くと二日前に会ったBellwoodsのブルワーStephenが友達と一緒に飲んでいます。彼らもSonnen Hillに行くとのことで合流。Stephenに彼女(家具デザイナー)とParadise GrapevineのCo-Ownerとシェフを紹介され、バスに乗り込みます。ちなみにParadise Grapevineのもう一人のCo-Ownerはなんと元Burdockのブルワーだそうで。ここでも繋がっていますね〜。疲れているのでバスの中では紅葉を眺めたりうとうとしたり。しかしカナダの紅葉は日本のそれとはまた違い、本当に燃えるような黄〜オレンジ〜赤のグラデーションで素晴らしかったです。 で、山の中をひたすら走って到着するとそれは紛うことなきファームハウスです。だだっ広い農園のちょっと大きめの納屋。皆さんが想像するファームハウスブルワリーです。Sonnen Hillは2017年創業、2018年に醸造開始した比較的新しいブルワリーですが、オーナーのCalum Hillの曽々々々々祖父が南ドイツのシュミーヒェンという街で1822年にSonnen Brauereiというブルワリーを開業して以来160年、ビール醸造はHill家の家業だったそうです。つまり今年で彼の家族がビール醸造を開始して200周年!このイベントはSonnen Hillの4周年とSonnen Brauereiの200周年を祝うイベントというわけです。 で、帰国後知ったのですがそんなCalumはBrew By NumbersとCloudwaterというイングランド有名ブルワリーでキャリアを積んだそうで。ちょっと意外でしたが、それで地元に戻って家族の農園にてブルワリーを創業したんですね。小動物っぽいキャラクターの彼の作るスタイルはラガーを中心にセゾン、ペールエールなどアルコール度数低めのシンプルでクリーンな飲みやすいビール。そのほかに当然ながらというか樽熟成のファームハウスエールや自然発酵(Spontaneous)ビール、ワイン産地に程近く、交流も盛んなこの土地らしいワインハイブリッドなども作っております。また可能な限り地元産の現在利用を使い、自然発酵ビールやセゾンはほぼ地元産の原料のみ。そりゃー興味持ちますよね! で、早速ビールをゲットというか、StephenがViennaを持ってきてくれました。色はViennaとしてはやや薄めかな?ちょっとホッピーでクリーンでライト、スルッと入っていきます。 旨い!フードブースではピザやソーセージが焼かれています。ピザやパンを焼いていたのはなんとEscarpment Labsというイースト会社のオーナー。自分で培養したイーストを用いたピザやチョリパンを出していてこれまた美味しい。田園風景の中で飲むビールは美味しいですね。周囲は若い人からお爺さんお婆さん、子供や犬など色々な人がいて、みんなそれぞれに楽しんでいます。散策したり、ゆっくり語らったり、コーンホールに興じたり。そんな様子を眺めているとStephenに声を掛けられます。 一緒にいるのは見覚えのある人物。Revel CiderのオーナーTariqです!RevelはGuelphという、やはりトロント郊外の街にあるのですが今回は訪問を断念していたこともあり、嬉しいサプライズ!聞くとStephenはブルワーとしてのキャリアを開始したのがRevel Ciderからだったんだとか。Tariq曰く「僕たちのサイダリーにはスタッフが飲む用にいつもビールの樽が繋げてあるんだけど、最近は専らSonnen Hillだね」とのことです。もうみんな繋がっていて訳分かりませんね。でもStephen曰く、別にトロントのビール(およびその周辺の)シーンのみんなと繋がっている訳じゃなく、Like Mindedな人たちが自然と仲良くなったんだとか。要はたまたま僕たちの取引先はみんな繋がってたってことっすね!でもそれも偶然ではなく、僕たちが惹かれるものがあるブルワリーにはみんな共通点があったということに他ならないのだと思います。また、ほかにもワインバーのオーナーだという犬連れの女性も紹介されたり、ナチュラルワインのシーンとクラフトビールシーンの近さも日本にいた時から気になっていたところなのですが、それも同様にLike Mindedな人たちのつながりなのでしょうね。そうやって色んな人とお話ししながらTable BeerやLager Beer、Pilsなどを飲みますがどれも美味いし飲み疲れしません。...
【カナダ・トロント滞在記 2022.10.22】Sonnen Hill
翌日はトロント郊外のCaledonという街というか農村にあるファームハウスブルワリー、So...
【カナダ・オンタリオ滞在 2022.10.21 】Godspeed
翌日はGodspeedです。Godspeed Breweryを語るにあたっては、オーナー/ブルーマスターのLuc Bim Lafontaineの話をするのが一番でしょう。モントリオールのブルーパブDieu Du Ciel!で2001年にブルワーとしてのキャリアをスタートさせたLucは2007年にヘッドブルワーに就任。彼のいた12年間の間にDieu Du Ciel!はどんどん人気を博し、カナダ国内で最高の評価を得るだけでなく、国際的な名声を得るようになります。その後日本に移住し、うしとらブルワリーの立ち上げに参画する傍ら様々なブルワリー/ブルワーに対して醸造指導を行い、日本のクラフトビールシーンのレベルアップに大きな貢献をした人物であります。 (画像引用:https://gerrardindiabazaar.com) そんな彼がカナダに戻り、新天地トロントにて2016年に立ち上げたのがこちらのGodspeed Brewery。ブルワリー立ち上げ前から噂となり、トロントのクラフトビール界隈はざわついていたようです。そんなブルワー歴20年以上を誇り、Brewer’s Brewerとして業界内でリスペクトされるLucが辿り着いたのはドイツやチェコ、ベルギーやイギリスといった王道のヨーロピアンスタイル。 本当に自分の飲みたいもの、すなわち派手ではないがより洗練され、バランスの取れたビール。素材に敬意を払い最高のバランスをするのが究極の目標だと彼は言います。彼のことを直接知る人も多いでしょうが、物静かで穏やかだが情熱的、細部にまでこだわりを持ち、人との縁を大事にする人物。黒いパンツに黒いシャツ、黒いブーツに黒いハットというブルワーのステレオタイプとかけ離れたスタイルとも相俟ってどこかアーティスティックな雰囲気を醸し出しております。 また、日本の文化に影響を受けている彼は柚子やお茶など日本の食材を使用してビールに彩りを添えております。中でも近年はチェコのビール文化に傾倒。なんと、あのピルスナーウルケルから同社で使われているものと同じ木樽を輸入、この前日に搬入。今後はこちらを使用したピルスナーがリリースされる予定となっているほか、あのBudvarとのコラボレーションも行っております。で、この土日にはBudvarやチェコの大使館関係、チェコのビール原料や機材関係の業者等を招いたイベントが予定されており、この日はその前夜というわけです。 夕方にLucと親しいタヰヨウ酒場の鳴岡さん、やはりLucと親しい白川さん、Brewccolyの筒井さんが到着するというので合流して乾杯をという予定。それまで時間があるのでプリペイドSIMを買うなどしに。ここまで動きっぱなしで身の回りのものなど何も買えていなかったのです。宿の向かいに格安キャリアのお店があり、10分で戻るとの張り紙があったのでドラッグストアに行ったりして再開を待っていたのですが一時間経っても再開せず。痺れを切らしてショッピングモールへ行き無事SIMゲット。と思いきや私のiPhoneはロックされていたようで使えず。。。格安キャリアにしたからロックされてないと思ったらされていましたわ。SIMは現地調達よりも日本のamazonで事前にゲットする方が安いし確実ですね。 で、こちらのモールの近くにLCBO(オンタリオ州政府運営のリカーショップ)があったので覗いてみたんですが、品揃えはあまり面白くないっすね。この州政府によるアルコール類の統制がカナダにおいてビールのみならずアルコール類のシーンにとって功罪あって厄介なようです。 気を取り直してGodspeedへ移動。ここまで訪れたBurdockやBellwoodsブルーパブ、True Historyはトロント西部ですが、Godspeedは東にあります。電車とバスを乗り継いで到着すると、ブルワリーの周りはパキスタン街になっており、西の方の洒落たところとは一味違った雰囲気。敷地もゆったり目に取ってあります。中に入るともうすでに飲んでいるお客さんもそれなりにいますが、鳴岡さんたちを待つまで我慢。 ルークは鳴岡さんたちを迎えに空港に向かっているのでブルワーの森君に工場を簡単に案内してもらいます。森振水君は気付いたら8年くらいの付き合いになるのかな?とにかく彼がビールの仕事を始める瞬間からの付き合いです。あんまり人付き合いが器用なタイプではありませんが、探究心と向上心、負けず嫌いとしつこさは人一倍。紆余曲折あり、散々苦労して掴んだ機会なので応援しております。ブルーハウスは2,500L仕込み、ファーメンターは5,000Lのものが8基、そしてチェコから輸入した4,000Lの木樽がどどーんと鎮座しております。 ブルワリーの規模としてはBellwoodsのプロダクションブルワリーより一回り小さい感じですね。驚いたのがブルワリーの綺麗さ。もちろんどこも床や機材は綺麗にしてあるんですが、Godspeedはその上色々整理整頓されていて本当に綺麗です。これを二人で回しているというのだから、Burdockとは違った意味で驚きです。 気づけば5時を回り、店内もかなり賑わってきましたがどうやら渋滞がひどいらしく、Lucがなかなか戻ってこないので仕事を終えた森君とフライングで乾杯。最初はBesutoから。その名の通りのBest Bitterで何も考えずにするする入っていきます。と、飲み終える頃にLucと鳴岡さんさんたちが到着。早速乾杯します。二杯目はOtsukaresama。Buhは以前飲んだものと少し印象が変わっていて、こちらの方が好みでした。Budvarバージョンとも飲み比べしましたがBudvarの方がややどっしりした印象。 残念ながらシェフを探すのに苦労しているらしく、居酒屋メニューは現在ストップしてしまっていたため食べ物はピザを。これはこれで美味しいんですが、やっぱり居酒屋フードが食べたかったですね。日本の味が恋しいとかではなく、Godspeedのビールに間違いなく合うからでありまして。Godspeedのビールは最近のブルワリーのようにライト目に仕上げるのではなくどちらかというとスタイルに忠実なバランス感覚ですが、これが和食に合うはずなのです。というか、ビールだけでなく居酒屋フードと合わせて楽しむコンセプトですからね。 で、実はトロントに来る前から確かめたかったのがフードでして。アメリカのブルワリーって基本的には何もないタップルームでひたすらビールを飲む、フードはフードトラックとかポップアップのフードベンダーから買うのが基本。もちろん食事の美味しいブルーパブもありますが、いわゆるアメリカンな食べ物が主流ですよね?僕たちの取引のあるところがそうなだけかもしれませんが、その点トロントのブルワリーってフードメニューにも工夫が凝らしてあるし、大袈裟なペアリングや流行の食べ物をぶつけるのではなくてデイリー以上スペシャル未満な食事と一緒に楽しむコンセプトを持っていたりするのだなと。ヨロッコの明生さんがダークラガーとサンマという組み合わせを提唱しておりましたが、Godspeedで色々をと試したかったんだよなー。。。ダークラガーも美味しかったし。それだけが唯一の心残りでしたが500mlのマグでひたすら飲み続けて気づいたら12時近くになっていたので退散。というか、当たり前のように500mlで飲めちゃうクオリティの高さとドリンカビリティ。7-8杯は飲んだんじゃないでしょうか。 まあフードに関する心残りはそのうちタヰヨウ酒場さんでGodspeedイベントをやってもらってなんとかしましょうか!
【カナダ・オンタリオ滞在 2022.10.21 】Godspeed
翌日はGodspeedです。Godspeed Breweryを語るにあたっては、オーナー/...
【カナダ・オンタリオ滞在 2022.10.20 】 Bellwoods Production ...
翌日はBellwoodsのブルワリー見学を。言わずと知れたトロントを代表する人気ブルワリーです。人気が出たきっかけは当時流行り始めるタイミングでいち早く作っていたゴリゴリにHazyなものを中心とするIPAだと思いますが、Dry Hopped SourのJelly Kingも非常に人気だし、木樽を駆使したファームハウスエールやクールシップを使用した自然発酵木樽熟成のサワーもとても高い評価を得ています。そんな彼らは6月にNYCに行った際もOther Half主催のIPAチャンピオンシップ”Green City”に唯一参戦していた米国外のブルワリーでしたし、Brooklynの街中でもBrouwerij LaneやBeer Boutiqueのような老舗のヨーロッパビールに強いビール専門店で取り扱われたりしています。 アメリカはそもそも一万近いクラフトブルワリーがひしめいており、トラディショナルを除くインポートの需要がそこまで高くない上、激戦区のNYCでちゃんと戦えている数少ないカナダというかヨーロッパも含めた米国外のモダンクラフトブルワリーの一つであります。(画像は2022年6月にBrouwerij Laneにて撮影。ベルギーの名だたるブルワリーに並んでBellwoods - Jelly Kingが並んでいる。) Bellwoodsは元々トロントのダウンタウンにブルーパブとしてオープンしましたが、規模が大きくなって北部の工業地帯にプロダクションブルワリーを新設。今回はこちらの見学です。いつもメールでやりとりしているAlyssaと午前中に約束をしていたのですが長旅の疲れで思いっきり寝過ごしてしまい、予定を午後に変更してもらうというハプニングがありつつ、バスを乗り継いで到着すると、アパレル系の工場や倉庫らしき建物がいくつかありますが入り口がわかりません。そこで外にいたBellwoodsで働いているっぽい人に「Alyssaと約束してるんだけど、どこかな」と聞くと「あそこの建物を入って突き当たりを左だよ」と。言われた通りに行くとなんか様子が違う。Alyssaっていうアパレルメーカー?のオフィスだかアトリエだかでした。。。 まあ気を取り直してブルワリーの入り口を見つけて入っていくとAlyssaが待ってくれていました。6月のNYCぶりの再会、ビールをもらって工場を見学。ビールはWhite Picket Fenceをチョイス。これ本当に好きなんですよねー。爽やかなホップの香り、仄かな酸味に控えめなブレタノマイセスのファンクネス。そしてオーク香。全てが主張しすぎず調和して、爽やかに何杯も飲めてしまいます。 工場の説明をしてくれたのはブルワーのStephen。昨日はBurdockに行ったんだと言うと、「Mattは仲のいい友達で僕はBurdockの2階に住んでいたこともあるんだ」と。やっぱり繋がっているんですねー。ブルワリーの方はというと、郊外らしく広々とした空間に高い天井。ブルーハウスは確か4,000L仕込み。それなりに大きいですがそこまででもないですね。で、ファーメンターとタンクが大小色々あって、一番大きいもので12,000Lと言っていたと思います。確か。タンクの大きさはそれなりですね。でも工場全体の規模感としてはやっぱりそこまで大きくなくて飽くまでローカルブルワリーって感じですね。そして木樽の方はというとバレル、パンチョン、フーダーと大小さまざまなものが結構な数あります。フーダーは確か4,000Lでそれがピラミッド型に積まれています。一番下が古いビールが入っていて一番上が新しくて、というので「ソレラ?」と聞くとその通り、と。まさに今飲んでいるWhite Picket Fenceがこちらのフーダーで熟成し、ソレラスタイルでブレンドしたセゾンであります。 ※ソレラ:一般的にシェリー酒で行われる熟成方法。樽を積み重ね、下段の古いものから瓶詰めし、減った分を上段の新しい樽から補充し、つぎ足しながら熟成させる。 他にVinesシリーズやFruit Jelly Kingなんかのフルーツを使ったビールに使う角型のステンレスタンクなどがあります。こちらで熟成中のビールをちょっと飲ませてもらいましたがまだ若いなという印象。これからが楽しみな感じです。クールシップは別のところにあるそうですが、基本的にクリーンなビールもワイルドエールも同じ場所で作っていましたね。タンクの使い分けとエリア分け、清掃、消毒の徹底だと言っていたと思います。Motley CruやIntermodalなど彼らのクールシップを使ったビールもとても美味しかったので次はクールシップも見たいですね!工場を出る頃には3時頃になっていたかと思いますが、入り口の売店のところでは工事現場帰りと思わしき格好をしたおじさんが二人、ビールを楽しんでおりました。 で、Alyssaの車でダウンタウンに移動します。車で20〜30分ほどで着いたのはオリジナルのブルーパブ。元々本当に小さなブルーパブだったのが、同じ建物内で拡張を繰り返し、最近一棟借りに近い状態になったとのこと。飲食スペースが拡張されて洒落たカフェのような感じになっています。まだ15時台ですが、店内はそれなりにお客さんが入っています。Burdockがレストランだとするとこっちはカフェっぽいです。 普通に街中の洒落たカフェっていう感じの佇まいだし、実際お客さんもビール好きだけではなく、そういうふうに利用されています。食事のメニューもなかなか洒落ていまして、チーズプレートとファラフェルラップを食べたのですがラップがレタスになっているなど洗練されていて美味しかったです。ビールの方はBellweiserからのCat...
【カナダ・オンタリオ滞在 2022.10.20 】 Bellwoods Production ...
翌日はBellwoodsのブルワリー見学を。言わずと知れたトロントを代表する人気ブルワ...
【カナダ・オンタリオ滞在記 2022.10.19】Burdock Restaurant
InstagramのStoriesでも少しアップしていたのでなんとなく気がついている方もいらっしゃると思いますが、昨年10月下旬に2週間ほどカナダ〜アメリカへ行っておりました。勿論インポートの取引先訪問を含めたビールの旅でございます。 僕たちハリーメイがCollective Artsを皮切りにインポート事業を開始したのが2019年9月のこと。Collective Artsは毎年地元ハミルトンで大規模なインターナショナルビアフェスティバルを主催していたので、2000年6月に行って現地の様子を見たり、新規の取引先を開拓したりしようなんて考えておりました。しかし皆様ご存知のように半年も経たないうちに新型コロナウイルスの感染が爆発し、海外に行くことが難しくなってしまいました。まあメールやSkypeなんかでコミュニケーションは取れるし、そうやってコツコツと新規のブルワリーを開拓してきたものの、やはり現地に行かないとなーってウズウズしておりました。しかし徐々にパンデミックも落ち着きを見せ、海外渡航に関する規制も緩くなってきたのでようやく!6月にはアメリカに行き、そして今回は念願のカナダに行けました。 今回のメインの目的地は当ハリーメイの取引先ブルワリーの集中するトロントを中心とするオンタリオ州でしたが、そのほかにモントリオール、アメリカに渡ってニューヨーク州、乗り換えでロサンゼルスにもちょっとだけ立ち寄り。10月は気候もいいしタイミング的にもThe Counterさんより引き継いだGodspeedのチェコイベントがあったりしてピッタリ。気になっていたブルワリーや現地のビール事情などチェックしてまいりました。 LAでの乗り継ぎを含めて20時間近い長旅の末にトロントに到着したのは夜20時。この日は取引先であるBurdockのブルワリーレストランでオーナーのMattと軽く飲もうと約束しておりました。都合のいいことにBurdockは予約していたAir BnBから徒歩10分くらいのところ。Godspeedで働く森君が予定が空いているというのでお店の前で待ち合わせて予定より30分ほど遅れて到着。 元々ポルトガル料理店だったというこちらは我々が想像するブルワリーやブルーパブとはちょっと違っていて、ちょいカジュアルなレストランですね。コンセプトとか料理については事前知識があったのですが、想像していたのは飽くまでブルワリーのタップルームとかブルーパブの範囲内のもの。しかし実際は内装や調度品なんかも洒落ていて、普通にデートとかちょっと美味しいもの食べようかって行くようなカジュアルだけどちょっと洒落たレストランで、想像の先を行っていましたね。 テーブル席を通り抜け、奥のカウンター席に行くとMattと営業のAnthonyが待っていてくれました。二人とも物静かで落ち着いた印象です。まずはBloor Lightから乾杯。アルコール度数3.1%のライトラガー(正確にはLagered Ale)。確か米かコーンを使っていたと思いますが、ライトでクリスプ、でもしっかりフレイバーはあるっていうBurdockらしいビール。とある眼鏡屋さんがBurdockをCity Popに例えておりましたが、納得の例えだなと思います。カラフルだけど色彩は淡く、でも輪郭ははっきりした感じでアーバンなセンスを感じさせます。ライトラガーやサワー、ペールエールなんかはもちろんですが、HellesやDark Mildのようなモルティなビールもモルトのふくよかさはしっかり表現しつつライトかつアーバンに仕上げてくるのがツボにハマります。 こういうブルワリーってあんまりいないです。まあとにかく、どうやってこういうスタイルを確立したのかが気になっていたのでストレートに聞いてみると、彼らはワインのカルチャーから強い影響を受けており、食事とよく合うビールを追求してこうなったとのこと。やはりそうだったのかと非常に納得しました。コロナ禍真っ盛りの頃、ビールを飲むシチュエーションはガラッと変わりました。お店、特にビアバーで飲む機会は極端に少なくなり、自宅で普通の晩ごはんを食べながら飲むというのが殆どに。そうすると派手なビールよりもデイリーに飲めて食事の邪魔をしないシンプルなビールがこれまで以上に活躍するようになりました。ビール単体で華のあるものというより、食中酒って感じですね。そんな中、Burdockのビールは本当にピタッとハマったんですよね。 そしてBurdockといえばブドウを使用したGrape Aleも大きな特徴ですが、Mattは十年以上前にモントリオールのワインバーで働いていてワインのことを勉強したそうで、ワイン造りに畏敬の念を抱いているのがよく伝わってきました。そんな彼がとても尊敬しているのがナイアガラのワイナリーPearl Morissetteだそうです。少し前に輸入したBumoシリーズでのコラボレーションも記憶に新しいかと。もう在庫はないので気になった方はどこかで見かけたら買ってみてください。Pearl MorissetteはGodspeedのLucからも勧められたし、そういえばGodspeedでオンメニューしている唯一のワインでしたね。こういった話をしていてもMattの真摯で誠実な人柄がよく伝わってきます。 で、ブルワリーを案内してもらいに奥へ。ちなみに手前がテーブル席、入っていくとカウンターがあってその先にボトルの冷蔵庫があり、一番奥がブルワリーとなっております。なのでお客さんの大半はここにブルワリーがあるということに気づいていないそうです。ここで作っていることを売りにしていないのか、とこれもちょっとした驚きですね。 ブルワリーの方は1,000L仕込みでタンクも同サイズ。設備もシンプルでサイズも極小です。天井も低くてこの設備がギリギリのサイズ。ほんと、日本のブルワリーと環境的にもサイズ的にもよく似ていて親近感が湧きます。なんとこれを年間200仕込み(2日に一回以上のペース)でブン回しているというから驚き。それでよくあんなにクリーンなビールが作れるなと。 リリース前のビールもいくつか飲ませてもらいました。今度入荷予定のアルコール度数3%のドライスタウトと昨日ドライホップをしたばかりだというSuperfluxとのコラボのHazy IPA。前者はロースト感とボディ感をしっかりと感じさせつつ飽くまでドライでライト、後者はBurdockとしては異色というかSuperflux色の強いゴリゴリのHazy IPAでどちらも美味しかったです。しかしこんな小さな設備でよく輸出に回してくれているよなと思っていたんですが、実は今新ブルワリーを建設中でして。とはいってもいきなり生産量をすごく増やすとかでなく、余裕のある設備にしてゆとりあるペースで作っていくためのようです。特にフラッグシップのTuesdayはLCBO(オンタリオ州政府運営のリカーショップ)に入っていたりするし、あとラガー系は大量に作ってゆっくり熟成させないと効率悪すぎですからね。何よりブルワー二名で年間200仕込みは無茶っすね。 そういえばMattは伊丹十三監督映画『タンポポ』が大好きだそうで。「映画のラストでついにオープンさせたラーメン屋、かっこいいよね」と。確かにあれは時代を先取りするようなコンセプトのラーメン屋でしたね!で、週明けに建設中の新工場を見学させてもらう約束をしてお別れ。
【カナダ・オンタリオ滞在記 2022.10.19】Burdock Restaurant
InstagramのStoriesでも少しアップしていたのでなんとなく気がついている方...
USA滞在記 LA編④
別な日には朝からアメリカ最大級のフードマーケット"Smorgasburg"に朝から行ってきました。 出店していたフードベンダーは多岐に渡るのですが中南米系が多かった印象です。あとはBBQとかビーガンとかスイーツとか。日本ではメジャーな南アジア系や東南アジア系のベンダーは案外少ないっすね。そういえばMumfordでポップアップやってたコリアンチキンの人たちも出店しておりました。 洋服やアクセサリー、ソースなんかの小売もあったので会社の人たち向けにお土産を買ったのですが後述の通り紛失してしまいました。。 Smorgasburgを後にして向かったのはTorrance。高速バスを使って片道一時間半くらいかかったような気がしますが往復$5もかかりません。 お約束のMonkishに行ってまいりました。Anaheimにセカンドロケーションをオープンしたせいか、うまく分散されているようで賑わっているものの行列はなく、持ち帰りのパッケージも複数種類ありました。今やIPAは作らないBelgian Inspired専門時代のMonkishを知る人は少ないのかもしれませんが、ブルワリー内にZwanze Dayのバナーが掲げてあってアツイなと。ここではKorean BBQのポップアップやってました。 Monkishを後にして次の目的地に向かいます。徒歩10分ちょい、米国ホンダの隣にあるのが三年前に行きたかったけれど行けなかったYorkshire Squareでございます。 LAでゴリゴリにイングリッシュスタイルやってるっていうからそりゃー気になるじゃないですか!ブリティッシュなんだけどどこかカリフォルニアな店内も居心地良く、ズラリと並んだハンドポンプにはCask Marqueのプラークがキラリと光ります。マイルドやビター、イングリッシュサマーエールなんかあっていい感じ。 この日のバーテンダーはブルワーだったんですがとてもナイスガイで、お客さんにカスクエールとはなんて丁寧に説明してました。日本語が堪能なスタッフもいるらしく、また以前Smog Cityの名物バーテンダーだった鋲ジャン+モホークの彼も今はここで働いているらしいです。そういうブリテン感の出し方もあんですね!で、オチとしてはここでSmorgasburgで買ったお土産を紛失しました。
USA滞在記 LA編④
別な日には朝からアメリカ最大級のフードマーケット"Smorgasburg"に朝から行ってきまし...
USA滞在記 LA編③
ChinatownといえばHighland Parkから徒歩数分のところに @homagebrewing の新しいブルワリー/タップルームが出来ました。HomageのオリジナルロケーションであるPomonaに三年前に行きまして。ビールも派手というよりはバランスが良く洗練されたタイプで非常に好みだし、タップルームの雰囲気も最高で一発でお気に入りとなりました。私がよく被っている緑に黄色のHのフェルトワッペンのついたダットハットはこちらのものでございます。まあそれくらいお気に入りだってこと。 で、一年前にChinatownに新しいブルワリーを作ったっていうんで行きたくてうずうずしてたんですよね。まあこれが非常に良かったですわ。ホッピーなのもラガーもセゾンも美味しいし、開放的な雰囲気が最高。こちらはKitchenも併設されており、フードも良さげな上にナチュラルワインもサーブされております。さらに週末にはDJイベントもやっておりまして。Disco, Electro, Chill Wave, Indie Popなんかの気持ちいい感じで◎でございました。あと、なにやらよく日系のポップアップイベントもやってるみたいなんですよね。 Pomonaの醸造設備は本当に小さかったんですが(5bblくらい?)、Chinatownも小さかったですね。どうやら15bblみたいで外には出回ってなさそうです。あ、ここもTシャツのボディにLos Angeles Apparelを使ってましたね! 別な日には高速バスを使ってNorth Hillsにある @cellador_ales に行ってまいりました。ここも三年前に行ってお気に入りとなったFarmhouse/Sourを得意とするブルワリー。本当はその前の週末に行われていたCellador Ales Friends Festに行きたかったんですが諸事情により断念。しかも年内でブルワリーがクローズというアナウンスが。。また入れたかったんですが・・ まあとにかく訪れまして、思い出のSlow Poured Pilsをいただきました。ビールは相変わらず美味しかったですが三年前にはバレルが積み重なっていたブルワリー/タップルームもほとんど空っぽで切ない気分になりました。 どうでもいいけどバーテンダーはDescendentsのTattooを入れてましたな。復活を期待します!
USA滞在記 LA編③
ChinatownといえばHighland Parkから徒歩数分のところに @homageb...